ストラポンタン(展覧会紹介など)

【連続展】浜昇の戦後と昭和 Vol. 1「津軽野」

 

 

このたび photographers’ gallery では「浜昇の戦後と昭和」と題し、浜昇の連続写真展(全6回)を開催いたします。
浜昇(1946年、東京生まれ)は、1975年に東松照明や森山大道らが講師を務めた「WORKSHOP 写真学校」に参加後、自主ギャラリー「PUT」設立に携わり、80年代に差しかかるまで個展・グループ展を通じて精力的に作品を発表します。その後も撮影を継続しながら、自ら設立したレーベル「写真公園林」での出版活動へと軸足を移し、写真展を含めた発表の場からは次第に距離を置くようになります。
しかし2000年代に入ると、バブル景気の地上げ等で虫食い状態となった東京を記録した写真953点を収めた『Vacant Land 1989』にはじまり、「本土復帰」後から90年代までの沖縄を記録した『沖縄という名』、昭和天皇の国葬当日とその前後の東京を記録した『斯ク、昭和ハ去レリ』へと、昭和を総括するかのように写真集を続けて刊行しています。
そして2025年6月、当ギャラリーの出版レーベル Kula Books では、浜の6冊目となる写真集『津軽野』を刊行しました。これを機に、写真家・浜昇の50年にわたる仕事の軌跡を辿りなおす試みとして、未発表作と最新作を含む6つのシリーズからなる連続展を開催いたします。
第1回目となる本展「津軽野」では、高橋しげみ氏(青森県立美術館学芸員)と倉石信乃氏(批評家・ 詩人)をお迎えし、トークイベントを開催いたします。
プレスリリースより転載

 

 

 

 

 

 

浜昇「津軽野」
2020年、約40年の時を隔てて浜は津軽を再訪する。かつてカメラを手に歩いた漁港や農村は賑わいを失い、時の流れが廃屋や空地の目立つ風景に深く刻み込まれていた。浜は「この津軽行きがなければこの写真集は作らなかっただろう」と語る。
浜がはじめて津軽を訪れたのは1975年、半島の北端では青函トンネルの工事が本格化している頃だった。それでも津軽にはかろうじて共同体が息づき、北の人々の構えのない暮らしぶりがあった。大地と海に抱かれるように暮らし、長い冬を終えては短い夏のひとときに夏祭りに興じる人々の姿。同時期に通いつづけた沖縄の政治的な緊張感から浜のこわばりは解きほぐされていく。
北海道でも下北でもない本州の北限、太宰治や高橋竹山を育てた津軽。40年の歳月がもたらした風景の変容への反動から紡がれた『津軽野』は、追憶の余韻を湛えながら、近代化の果てに失われてきたものの在処を知らせている。
プレスリリースより転載

 

 

 
©Noboru Hama

 

浜昇は1946年東京生まれ。
 
◇本展「津軽野」詳細
https://pg-web.net/exhibition/noboru-hama-postwar-showa-1/
 
◇連続展「浜昇の戦後と昭和」詳細
https://pg-web.net/exhibition/noboru-hama-postwar-showa/

 

【連続展】浜昇の戦後と昭和 Vol. 1「津軽野」
会期:2026年1月26日(月)〜2月8日(日)
休:会期中無休
時間:12:00〜20:00
会場:photographers’ gallery
住所:東京都新宿区新宿2-16-11-401
電話:03-5368-2631
https://pg-web.net
 
トークイベント
「残置と放擲──浜昇の仕事を振り返りつつ」
浜昇×高橋しげみ(青森県立美術館学芸員)×倉石信乃(批評家・詩人)
日時:2026年1月31日(土)18:00〜19:30
定員:25名(参加無料・予約不要)
 
冊子『【連続展】浜昇の戦後と昭和』配布中(下記からPDFダウンロード可)
https://pg-web.net/img/2025/12/noboru-hama-postwar-showa-pg2026.pdf

 

〈写真集〉
浜昇『津軽野』
B5変型判/上製/モノクロ・カラー/200頁
寄稿:高橋しげみ(青森県立美術館学芸員)
造本:須山悠里
発行:Kula Books
発売:photographers’ gallery
定価:6,300円+税
ISBN978-4-907865-39-9
https://pg-web.net/shop/pg-kula/tsugaruno/

 

高度成長期の1970年代、津軽半島に暮らす人々や風景を撮影した浜昇は、約50年の時を経て2020年代に再び津軽を訪れます。そこで浜が目にしたのは、およそ半世紀の間に津軽野に起こった目まぐるしい時代の変化の跡でした。本書は、廃屋の目立つ現在の津軽の風景を皮切りに、70年代の津軽野で撮影された、土と海と死者たちと共に暮らす人々、半島に広がる峻厳な風景、そして短い夏のひとときに行われる夏祭りの光景を記録した写真、全178点で構成されています。

 

土地から引き離された多くの人々、打ち捨てられた数々の土地を見つめてきた浜の目に、津軽半島は広大な空地になろうとしているように映ったのではないか。
「空地」を真にそう呼ぶ資格があるのは、空地以前のその場所を知る者だけだ。津軽での最初の撮影からおおよそ半世紀の間に起こった目まぐるしい時代の変化が、70年代に同地を目撃し、その姿をフィルムに収めた者として、浜にこの写真集を世に出すよう迫った。
 
高橋しげみ「津軽野に見る夢」(本書所収)

 

津軽野には、歌枕として囲い込まれることを拒むほどの痛切な自然の厳しさがあり、ふれると泣けてくるような温かい情感がある。浜昇は1970年代にその地に通い、近年再訪した。よき人とともにあった昔日の風景はよそよそしく、あるいは潰えた。取りもどすことのできない時の痛みを携え、写真家は記憶を代補する務めを全うする。再訪は時に苦い。だが、郷愁に真に味読される価値があるとすれば、痛苦が交じればこそ、なのである。
 
倉石信乃(詩人・批評家、明治大学教授)

 

腰の曲がった婆婆を見ることもなくなった21世紀半ばに、浜昇が写真にとどめた1970年代の津軽が浮上する。つかの間の〈地方〉。故郷を置き去りにしてしまった後ろめたさを抱えこみながら、今日も、ホーハイ、ホーハイ、聞こえる気がする。
 
山内明美(歴史社会学・社会思想史、宮城教育大学准教授)

 

経路
  1. 東京メトロ丸ノ内線・副都心線、都営地下鉄新宿線「新宿三丁目」駅・C7出口を出てすぐの角を右折(「ファミリーマート」を左に見て)して進む
  2. 突き当りを左折し、左側2軒目「そば処更科」のあるビルの4階。徒歩3分。

 

車椅子

会場のある4階まで階段のみ。