山本美里写真展「透明人間 ─Invisible Mom─」

 
障害をもって生まれたこども。自分*がそうだった。母の苦労を、もうしわけなく思う気持ちがあるが、ことばで思い返そうとしても数行で終わってしまう(自分はその苦労に向き合ったことがあるのだろうか)。自身の生を、母は実感していただろうか。
山本美里(写真・文)による写真集『透明人間 Invisible Mom』(タバブックス刊、2023年12月)。刊行を記念して開催される写真展とお話し会。
*(『etc.』発行者)
 

著者の写真家・山本美里さんの第3子は重度の障害とともに生まれ、痰の吸引や経管栄養などが日常的に必要な「医療的ケア児」です。通学する特別支援学校には親が付き添い、校内での待機が求められます。緊急時以外にはとくに何もすることがなく、「気配を消してください」と求められ、毎日6時間、週のほとんどを“黒子”として、子どもの“背景”になって過ごす日々。「透明人間」となってしまった山本さんは、通信制の大学に通って写真を学び、「私はここにいる」と言わんばかり、自分自身にカメラを向けて撮り始めました。するとそこに写し出されたのは、「医療的ケア児」をめぐる福祉や教育の問題のみならず、毎日の生活にもがき苦しみながらも「今」を楽しく生きようとする山本さん自身の姿、そして、誰かの人生のために「透明人間」になって生きざるをえない、見えない母親たちの存在でした。
 
“見えないもの”とされているすべての母親たちへ——
 
テーマとは不釣り合いに、つい笑ってしまう、明るくユーモアのある写真の数々に囲まれながら、「透明人間」となって生きている一人ひとりの「私はここにいる」の声を感じていただけますように。

曲線のサイトから抜粋

 
山本美里写真展「透明人間 ─Invisible Mom─」
期間:2024年6月6日(木)〜6月25日(火)
休:期間中の水曜日、6月18日(火)
時間:12:00–19:00
会場:曲線
住所:宮城県仙台市青葉区八幡2-3-30
https://kyoku-sen.com/news/6641cdfb7f5ecd0299ab82ae
 
※お話し会
日にち:2024年6月8日(土)
時間:open 13:30 / start 14:00(15:30終了予定)
お話:山本美里
参加費:1500円(+1drink 500円)
予約については曲線のサイトをご覧ください
 
経路
仙台」駅前・西口からバス。13番のりば「国見ケ丘一丁目」行など、14番のりば「作並温泉元湯」行/「大國神社前」行などで「八幡一丁目」下車。「デイリーヤマザキ」前の横断歩道を渡り右へ。「くにみの風」手前の建物間の細い路地を左折、突き当り。徒歩3分。
 
車椅子
道路から店舗までの小路が舗装されておらず、また、玄関の段差が高く、車椅子での入場は困難。お手伝いが必要なかたはお声がけください。
 
SNS
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