菅野まり子「聖樹幻影/失われた庭園を覚醒夢に描く」展

『楽園の外へ』 2024年 キャンバス・アクリル彩 318×410mm

 
「paradiseの語源は古ペルシア語 pairidaēza(=閉じられた場所)とされています」。「楽園」「見慣れた世界の端緒」「閉塞の檻」「囚われ」……。作者が描いた「失われた庭園」。新作タブロー約15点による展示。
 

手放した庭、失った庭の記憶は、その風景への追慕と共に、ついに叶わなかった未来の景色をも喚び戻す。
これは夢だと意識して見る「覚醒夢」のように、眠りの中に閉じられた夢を絵筆の先に開いて、生死の無い楽園をさまよう。
この世に無い植物たちは、うろ覚えの像を結び、その精巧な造形が定かでなく、ただ曖昧な現象の内に風情だけを表出していて、それゆえに、より強靭に匂い立ち、枝葉を広げて見えない風を通している。
饒舌な眠りの中、衆妙に近しい植物たちは、人の想像及ばない夢を見ている。拙い夢を貪るしかない私は、いつしか植物達の夢に取り込まれ「夢中」になって描いている。ふと、気付いた。いつも儀式のように塗りつぶしてきた背景、そこに本当に描きたかったものは、漆黒という色ではなかった。色(しき)の外、識の外、見ることのできない玄(深淵)だったのかもしれない。

2024年7月 菅野まり子

ホームページより

 

菅野まり子「聖樹幻影/失われた庭園を覚醒夢に描く」展
会期:2024年7月6日(土)〜7月21日(日)
時間:12:00〜19:00 日曜12:00〜18:00(最終日〜17:00)
休:月・火曜(7月15日(月/祝)は休)
会場:Galerie LIBRAIRIE6
住所:東京都渋谷区恵比寿南1-12-2南ビル3F
電話:03-6452-3345
https://librairie6.com/?p=6677
 
経路
◆JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン「恵比寿」駅・西口改札を出て左折、駅前広場に出たら左へ歩き、「atré恵比寿西館」を正面に、左手に「喫茶室ルノアール」を見て左折し、回り込むように線路沿いの細い坂を登る。書道・いけばな・茶道教室を過ぎたところの角を右折し、右側非常階段の奥。徒歩2分。
◆東京メトロ日比谷線「恵比寿」駅・出口1を出て進行方向へ(左にJR「恵比寿」駅を見ながら)進み「atré恵比寿西館」を正面に、左手に「喫茶室ルノアール」を見て左折し、回り込むように線路沿いの細い坂を登る。書道・いけばな・茶道教室を過ぎたところの角を右折し、右側非常階段の奥。徒歩2分。
 
車椅子
建物入口に3段の段差あり。車椅子単独の場合はギャラリースタッフによるサポートあり。事前に電話またはメールにて連絡を。
 
SNS
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