福田尚代「ひとすくい」

福田尚代《翼あるもの『海底二万海里』》2022年、頁を折り込まれた書物、20.8×34.7×11.2cm
福田尚代《書物の魂 #02》2013-2023年、ほぐされた本の栞紐、サイズ可変

 
福田尚代の6年ぶりの個展が始まっています。まだ会場へは行っておらず、会場の様子を最初に目にするのは、写真ではなく実物で、と思っています。実物のそばにいて、はじめて見えたりするものごとがあるような気がするのです。英語のタイトルは「A Spoonful of Salvation」となっています。
 

本展では6000個以上の消しゴムを彫刻したインスタレーション《漂着物/海辺の洞窟》のほか、本のページを折り込んだ《翼あるもの》、本のしおりをほぐして綿あめのようにした《書物の魂》、ギャラリーのある地から連想された回文作品、そして夢から着想した新作《夢ノート/袖の涙/泉》などを、海辺の洞窟や大きな船のようだと福田が感じた建物空間を存分につかって展覧いたします。
福田は、言葉や背景を消すことで自らも消滅していく存在の消しゴムは「この世界ではない別の場所」へ繋がる入口だといいます。その消しゴムを彫刻することは、「形作ることではなく、削ぎ落とし、形を手放すための行為」であり、存在と不在の意味を問いかける作品が見るものを魅了します。そして、「この世界ではない別の場所」の先には果てしない海原が広がっていると福田は考えます。寄せては返す波打ち際で、言葉の漂着物を是非お受け取りください。

プレスリリースより抜粋

 
福田尚代「ひとすくい」
会期:2024年5月18日(土)〜6月29日(土)
開廊日:展覧会会期中の水曜日から土曜日
時間:13:00〜19:00
会場:Kanda & Oliveira
会場住所:千葉県船橋市西船1丁目1番16-2号
電話:050-3579-1695
https://www.kandaoliveira.com/ja/exhibitions/18-naoyo-fukuda-a-spoonful-of-salvation/
 
経路
JR各線・東京メトロ東西線・東葉高速線「西船橋」駅・北口の階段を降り右側にある「マツモトキヨシ」右脇の道に入り駐輪場の方へ。「船橋市西図書館」の方向を示す看板あり。そちらの方へ進む。武蔵野線のガード下をくぐり、総武線の線路沿い、立体駐輪場沿いにまっすぐ進む。「船橋市西図書館」を通過し、左側にあらわれる7階建ての白いマンションを越えてすぐの駐車場の手前の道を左折。突き当たりの2車線の道路を右折。「押ボタン式信号機」を渡り、進行方向へ。「山野浅間神社」を通過し「壮陽電設」の隣。ノコギリ屋根の建物。徒歩約12分。
 
車椅子
建物内に段差解消用折り畳みスロープが2つ、車椅子1台あり。フロア間はエレベーターで移動可能。建物正面入口に石段が2段あり、機材搬入用の別の入口から1階へ(スタッフへ)。トイレ入口に3段階段あり。介助者がいればよりスムースに。用意のため事前に連絡を入れると安心。(階段の踊り場に作品がある場合は近づいて見ることができません)
 
SNS
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