都美セレクショングループ展2024 回遊する風景

バックランド美紀 Quiet after the snowfall

 
バックランド美紀はイギリスで学びスイスに暮らす。シューズデザイナーとして活動する一方、独学で写真の制作を始め、スイス移住を機に写真制作に専心。
和田みつひとにはドイツへの留学経験がある。虚と実が常に同時にあることを私たちに示すスライド映像によるインスタレーション、写真。
向井三郎はオランダ留学の後、自身の周囲の光景を観察して描き始め、眼前の事物や現象をできる限り見えてくるままに捉えようとする。
吉田さとしはデンマーク滞在の経験があり、出品作《その街の地図》はヨーロッパの教会を線で繰り返し描いた幼少時代の落書き帳を元にしている。
橋本トモコはスイスでのアーティスト・イン・レジデンスで川のほとりを日々ひとり歩くうち、見たままの風景をそのまま描きたいと思うようになった。
 

「回遊する風景」展覧会概要
 
誰もがスマートフォンを携帯し、日常の風景を手軽に撮影できるようになって何年過ぎたでしょうか。世界中の風景がSNSに乗り、私たちに届けられています。しかし、真実と共に虚偽が含まれたそれらの画像は、時に分断を生む原因となって、社会を混乱に陥れてもいます。そのような大量の画像に囲まれて生活する今、私たちにとっての本当の「風景」とは一体何でしょうか。
本展「回遊する風景」は、海外での経験を起点として風景作品を制作している5人の作家による展覧会です。たとえば、その土地で見た自然が織りなす光と影、肌で感じた空気、土地に染みついた歴史など、自身の内部に取り込んだ様々な記憶に、私たちが生きる日本の風土を重ね合わせ、自分たちの作品へと昇華させようとしています。5人の作品に描かれているものは、誰もが見ることのできる景色です。そこに主人公は描かれていません。作品の中にあるのは、「いつ」「どこから」「何を思って」、その景色を見たのかという作者の視線です。東洋と西洋、過去と現在、幻想と実存、意識と無意識といった相反する視点から対象を捉えようと試みています。異なるふたつの視点を持って作品に対峙しようとすることは、〈世界〉と〈私〉を少しでも客観的に眺め、風景を通して真実に近づきたいという作者の意思の表れといえるでしょう。
この展覧会では、東京都美術館のギャラリーが持つ特異な空間を、絵画、写真、陶、スライドインスタレーションなど、それぞれの手法で制作された5人の風景で構成します。回遊魚が大海を巡ったのちに故郷の河川に戻るように、作者の記憶にある風景がそれぞれの心の真ん中を通過し、新たな風景として見る人の胸に届くことを願っています。

プレスリリースより

 
都美セレクショングループ展2024 回遊する風景
参加アーティスト:バックランド美紀和田みつひと向井三郎吉田さとし橋本トモコ
会期:2024年6月10日(月)〜6月30日(日)
時間:9:30〜17:30(金曜日は20:00まで開室 入室は閉室30分前まで)
休室日:6月17日(月)
会場:東京都美術館 ギャラリーC
会場住所:東京都台東区上野公園8-36
電話:03-3823-6921
料金:無料
企画・構成:橋本トモコ
http://kaiyu-fukei-2024.studio.site
 
美術館HP
https://www.tobikan.jp/exhibition/index.html
 
経路
◆JR「上野」駅・公園口を出てすぐの横断歩道を渡り、「東京文化会館」を左に見て直進し公園内に進む。右手「国立西洋美術館」を過ぎ、広場の「スターバックスコーヒー」左の斜め右へ進む道を進んで右手のレンガ色の建物。徒歩7分
◆東京メトロ銀座線・日比谷線「上野」駅7番出口を出てすぐに右へ。ガラス張りのビル「UENO3153」の方へ横断歩道を渡り右折。歩道橋を上り直進。JR「上野」駅・公園口に出たら以降はJR「上野」駅・公園口からと同じ。徒歩10分
◆京成電鉄「京成上野」駅・正面口を出て左へ。ガラス張りのビル「UENO3153」を通過し、歩道橋を上り直進。JR「上野」駅・公園口に出たら以降はJR「上野」駅・公園口からと同じ。徒歩10分
 
車椅子
車椅子対応。車いす対応トイレ、オストメイト対応トイレあり。HPに解説あり。
 
SNS
https://x.com/tobikan_jp
https://www.instagram.com/tokyometropolitanartmuseum/
https://www.facebook.com/TokyoMetropolitanArtMuseum