このシリーズは、矢島が自ら撮影した写真をモチーフに絵を描き、さらにその絵を撮影するというプロセスが中心となっています。モチーフは、絵画や写真における基礎的な対象であり、これまで矢島が繰り返し撮影してきた被写体である静物写真と、後ろ姿のポートレートで構成されています。絵は、ネガフィルムのように反転した状態で描かれたものもあり、それをフィルムで撮影することでネガ上に正しい絵が浮かび上がるという構造が生み出されます。
プレスリリースより
矢島は、キャリア初期に読んだスーザン・ソンタグのテキスト「A Little Summa(小さな大全)※」の一節が、その後の活動に影響をもたらしていると言います。
『Photography is, first of all, a way of seeing. It is not seeing itself.』
(まず初めに、写真は見るための手段であり、見ることそれ自体ではない)
また、同じくキャリア初期に、世界同時多発テロのニュースを見たこともその後の制作に大きな影響を与えていると言います。アメリカとイラクのニュースが飛び交う中、矢島は“表だと思っていたものが実は裏から見たら裏だった”というごく当たり前のことを改めて意識します。それは社会に対するある種の懐疑的な視点を矢島に植え付け、結果としてネガとポジの構造を介した本作の制作にも繋がっています。
矢島は本作において、フィルム写真の構造を用いながら絵画と写真の境界を探る過程を提示しつつ、見る側の認識のあいまいさを含めた今日のわたしたちを取り巻く「ものの見方」について考察することを試みています。
※“A Little Summa”—Susan Sontag『写真との対話 “How to talk to photography”』(国書刊行会、2005年)
矢島陽介 Yosuke Yajima「a way of seeing」
会期:2024年10月25日(金)〜11月5日(火)
休:木曜
時間:12:00〜19:00 ※最終日〜17:00
会場:Alt_Medium
住所:東京都新宿区下落合2-6-3堀内会館1F
電話:03-5996-8350
https://altmedium.jp/post/202410yajimayosuke/
矢島陽介website
https://www.yajisuke.net
経路
◆各線「高田馬場」駅・早稲田口を出て左へ進み「BECK’S」前の横断歩道を渡る。目の前の商店街「さかえ通り」を直進。商店街が終わり「東京富士大学」手前の橋を右に渡る。蛇行する道、「日本外国語専門学校」を過ぎ、右手に「セブン–イレブン」のある二叉路を「セブン–イレブン」側に進む。線路を越え大通り(新目白通り)に出てそのまま歩道橋脇の横断歩道を渡り正面奥。徒歩7分。
◆線路を避けるための迂回路は、早稲田口をロータリーの方へ出て左側に見える稲門ビル(「マクドナルド」「ねぎし」などが入っている)の「セブン–イレブン」の角を下り突き当たりの「新目白通り」へ。左折ししばらく進み、「新宿区下落合二丁目」の歩道橋手前の横断歩道を渡り正面奥。
車椅子
車椅子のための段差補助の用意あり。入口で会場へ電話を。会場入口にその旨の記載あり。
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