「数寄者達 ─琳派以後の方法─」1991–2024 白川昌生 柳健司 福田篤夫

 
1990年に福田篤夫により開催された「数寄者達 ─琳派以後の方法─」。1991年には「同じ群馬に住みながら日本の美術をそれぞれに研鑽している二人の美術家白川昌生と柳健司」が参加。2024年、33年ぶりの再会となり、「三人のアーティストが、新たな視点と思考によって展開される“琳派”の有様を解読」していく。
 

「数寄者達 ─琳派以後の方法─」のシリーズは、その後、国の重要指定文化財である臨江閣や群馬県立近代美術館、そしてフランス、ドイツをはじめとする世界各都市のアートスペースなど、国内外のさなざまな場所によって14回の展覧会を開催しています。
今回15回目の展覧会にあたり、白川昌生、柳健司、福田篤夫の三人のアーティストは、34年の時間軸の推移から導かれる「数寄者達 ─琳派以後の方法─」の回顧と、未来に向けた三者三様の日本美術の提案を行います。
白川昌生(1947年生・前橋)は、CONCEPT SPACEが主催して開催した「渋川現代彫刻トリエンナーレ」に於いて、波板亜鉛鋼板と瓦による野外彫刻によって、彫刻の耐候性や普遍性の新しい思考のあり方、未来を予感させる彫刻作品をもって、当時のアートシーンに一石を投じるような強いインパクトを残しました。コンセプチュアルアートとして言語と概念を主観にした優越な作品と、同時に展開される一連の彫刻作品は、日本美術の先進導坑の実際を担っています。
柳健司(1961年生・佐賀)は、建築的なスケールで展開させた一連のインスタレーションによって、空間把握と彫刻の求心的な視点の投げ方の解放に成功した稀有な美術家のひとりです。その展開の推移(アプローチ)は、一連の作品のタイトル「アプローチ」が示す通り、視覚原理の拡散試行とインスタレーションを体感として提示してきています。最初の「数寄者達」展で示した、ガラス球の中に閉じ込められた水と魚と水草によって生命の循環を示した最小の地球は、まさに求心視点によってみえる拡散視点の逆説的な概念上の思考を暗示する作品として強い印象を残しました。
福田篤夫(1958年生・渋川)は、宗達、光悦、光琳の残したパルス、パッションに導かれながら、和紙、漆、金、銀箔を素材したインスタレーションによって、伝統美術から現代美術へとそのジャンルを超えた日本美術の在り方を提示しています。彫刻作品が、石、木などを掘り刻み新しい生命を宿すように、“美術という概念”を素材にさまざまな“掘り刻みと構成”によって、美術を新しい彫刻作品として再構築する実験を繰り返します。地球温暖化によって絶滅の危惧にある珊瑚や植物と漆といった天然素材を使った一連の彫刻作品によって、背後に隠されている概念の解読を促しています。

プレスリリースより

 
「数寄者達 ─琳派以後の方法─」1991–2024
白川昌生 柳健司 福田篤夫
会期:2024年10月5日(土)〜10月26日(土)
開廊:毎週金・土・日曜(要予約・無料)
時間:13:00〜17:00
※E-mailによる前日までの予約を。予約:hukuda3323@yahoo.co.jp
会場:CONCEPT SPACE/CONCEPT SPACE/R2
住所:群馬県渋川市石原309-8
電話:090-8582-0414
https://www.conceptspace.jp
 
*座談会 ─四方山話─「“ちがう穴の狢”瑕を舐めあう。」(仮題)
参加作家+田中龍也(群馬県立近代美術館)
日時:2024年10月5日(土)17:00〜
会場:CONCEPT SPACE
参加料(寄付金):志納(能登半島地震復興支援として寄付)
※要予約(前日までに予約。予約:hukuda3323@yahoo.co.jp)
 
経路
JR上越線「渋川」駅を出て交番のある左側へ。ターミナルを回り込み「和食処とんでん」の方へ渡って通り過ぎそのまま駅と垂直方向に「市役所通り」を直進。次の交差点を通過し、その次の角(駐車場の角)を左折(右手に「セブン–イレブン」)、SLのある公園を右手に通り過ぎ「本沢医院」、四つ角を通過、そこから数えて右手2つ目の道を右折、左側2軒目。徒歩8分。
 
車椅子
建物の構造上入ることができません。