ストラポンタン(展覧会紹介など)

「シェレーの雲雀」伊藤邦恵/大坪紀久子/早川陽子/吉田さとし

伊藤邦恵

伊藤邦恵
心の焦点が目の前の風景に合う時、空気を絵の具に置き換えて作品を描いています。空気の層は画面をおぼろげにさせてゆき、反して、頭の中は静かにクリアになっていきます。
 
 

大坪紀久子

大坪紀久子
もしも心に蝋燭があるのなら、私の絵を見てほわっと炎を灯しあたたかくなって欲しい。simple、surprise、smileを信念にシンプルで驚きがあり見た人が笑顔になれる作品を日々目指しています。
 
 

早川陽子

早川陽子
ガラスにデッサンをすると、絵そっくりの影ができます。細く消え入りそうな線にさえも淡い影が生じるのです。私の絵を止まり木にして、光が羽を休めている、そんな空想をしながら描いています。
 
 

吉田さとし

吉田さとし
ドローイングを軸に、キャンバス作品、水彩、刺繍、粘土などで記憶と風景が交差するように描く。過去の画家の絵画を用い、移り行く景色を複数の水彩で表現するシリーズとして、今回はマティスとボナールに焦点を当てる。

伊藤邦恵(絵画と立体)、大坪紀久子(版画)、早川陽子(ガラスに絵、立体)、吉田さとし(絵画)、以上4人の作家の作品約50点を紹介する展覧会。
 

「シェレーの雲雀」
 
We look before and after
And pine for what is not:
Our sincerest laughter
With some pain is fraught;
Our sweetest songs are those that tell of saddest thought.
 
世間や人間関係の不条理や矛盾を嘆き、良きところを求め動いても、どんな場所もさほど変わりはない。だからこそ、絵が生まれ詩が生まれる。雲雀の、魂からのさえずりに感嘆して思い出したイギリスの詩人・Percy Bysshe Shelleyの雲雀の詩。諳んじるとここでも矛盾を嘆いている。
 
・・・
 
夏目漱石『草枕』冒頭で主人公の画工が吐露する心情です。悲喜も明暗も表裏。感情は、どちらも包括するものに揺さぶられるものではないでしょうか。
3月のとある日、モンキーカフェまで歩きながら『草枕』と、4人の作家が浮かびました。暮らしの交々と対峙しながらも優しく柔らかな表現をする作家たちです。
風薫るこの頃、代官山へいらしてください。珈琲の香りにつつまれる朝、木漏れ日降りそそぐ午後、ときに、雨の雫を喜ぶ植物とともに、この場所と作品を味わっていただけたなら幸いです。

(企画 Gallery Camellia 原田直子)

 
「シェレーの雲雀」伊藤邦恵/大坪紀久子/早川陽子/吉田さとし
会期:2025年5月10日(土)~5月25日(日)
休:なし
時間:10:00~19:00(カフェ利用の場合ラストオーダー18:30、鑑賞のみOK)
会場:MONKEY GALLERY
住所:東京都渋谷区猿楽町12-8
https://monkeycafe.jp/
 
経路
東急東横線「代官山」駅・北口改札を出て左折(代官山アドレス方面へ)。右手階段のすこし先左にある吊り橋のような歩道橋を渡る。「代官山アドレス」に入る。左手に「picard」を見て左の方へ進む。左に「converse」、右に「collex」。そのまま直進。道路(八幡通り)に突き当たったら右折。進行方向右側に「セブン–イレブン」を認めてすぐの「猿楽小学校裏」交差点を左折。左側一つ目の角にある木板壁の12角形のビル。徒歩5分程度。
 
車椅子
店内、会場内に段差あり。