ストラポンタン(展覧会紹介など)

Blending Forms とけあうかたち|Shiho Hayashi Solo Exhibition

 

 

林志保の造形は、自然と人間の営み、そして絶えず繰り返される命の循環への切実な眼差しから生まれます。その根底には、物質が崩壊し、そこから再び命が芽吹く「再生」の記憶が静かに伏流しています。
 
かつて彼女は、自然石の凹凸を粘土に写し取ることで偶然性に身を委ねる「トレース」の手法を応用し、制作を行ってきました。しかし、無数の石をなぞり続けた触覚的な記憶は、やがて彼女の手の中に「かたちの核」として蓄積されました。現在の林は、その内なる記憶を遡り、手捻りという身体的な意志をもって形を立ち上げる領域へと深化しています。土という素材の可塑性と対話し、かたちが生まれてくる過程そのものに寄り添うことで生み出される造形は、自然の摂理と作家の視点が溶け合い、静かな熱を帯びた生命体としての実在感を放ちます。
 
本展「Blending Forms(とけあうかたち)」は、こうした林の造形と思想が、stoop という固有の空間が持つ物質的な密度と交差する試みです。会場となる stoop は、ヴィンテージの家具や生活の痕跡を内包し、異なる時代背景を持つ思想や造形が溶け合う場所です。そこにある家具もまた、長い歴史の中で人の手と素材、そして機能とが響き合い、ひとつの形態へと結実した「時間の積層」を湛えています。
 
空間の各所では、作品のフォルムに応答するように家具が設えられ、ひとつの調和した場を立ち上げます。自然の摂理と作家の意志がとけあった陶作品と、人間の知性と時間がとけあった家具。両者が響き合うとき、そこには素材や時代の境界を越えた、濃密な「生の気配」が漂います。
 
「とけあう」とは、個の輪郭を失うことではなく、異なる存在や時間の蓄積が互いに浸透し合い、新たな全体性を獲得することです。林志保が「trace」という行為や思考を経て辿り着いた造形と、各時代の思想が結実した家具。それらが共鳴し、境界を溶かし合わせるこの場所で、鑑賞者は自己と世界の間に横たわる曖昧な境界を顕在化させ、物質と精神が結びつく瞬間に立ち会うことになるでしょう。
 
プレスリリースより転載

 

trace, Untitled 2026, Ceramic

 

trace, Untitled 2026, Ceramic

 

Providence 2026, Ceramic

 

trace, Untitled 2026, Ceramic

 

trace, Untitled 2026, Ceramic

 

Shiho Hayashi 林志保
1984年兵庫県生まれ。現在は岐阜県多治見市を拠点に制作を行う。自然と人の営み、繰り返される命の循環への眼差しを持ち、人と自然をつなぐ trace「たどる、なぞる、さかのぼる、しるす」という行為・思考を起点に陶作品を制作。
プレスリリースより編集して転載
 
◇Shiho Hayashi Instagram
https://www.instagram.com/shih0.h/

 

Blending Forms とけあうかたち|Shiho Hayashi Solo Exhibition
会期:2026年6月6日(土)~7月5日(日)
休:月曜
時間:12:00〜19:00
会場:gallery stoop
住所:東京都江東区白河 2-5-10
電話:03-4285-4128
https://stoop.jp

 

経路(半蔵門線)
  • 東京メトロ半蔵門線「清澄白河」駅・B2出口を出て右折
  • すぐの交差点を右折
  • 次の四つ角を左折
  • 次の四つ角は通過して直進
  • 駐輪所・駐車場の手前の細い道に右折
  • 右側、入口がガラス張りの建物。徒歩3分。
経路(大江戸線)
  • 都営大江戸線「清澄白河」駅・A3出口を出て左へ
  • 「深川江戸資料館入口」交差点を左折し「深川資料館通り」を直進。以後道路の左側を保ってしばらく進む
  • 「深川江戸資料館東」交差点を通過
  • 「ローソンストア100」を通過して次の角(角に「わたなべでんき」)の細い道へ左折
  • 駐車場の先、左側にある入口がガラス張りの建物。

 

車椅子

建物入口に約10cmの段差あり。会場内は通路が狭く、複数の段差あり。2階へは階段のみ。