ストラポンタン(展覧会紹介など)

佐藤省展 春は土の中に─

 
植物の種子を使ったインスタレーションです。
永い年月をかけて作者自身の生活の中で収集した種子で構成された作品で、
種子を“いのち”とも捉え、生命の不思議、面白さや美しさへの気づきのきっかけと
なることを願って。
言葉による参加者、約50人の種子をテーマにした一行詩も展示します。
 

そう、種子(いのち)のつぶやきの
          浮遊を待ちつづけ・・・・・ (佐藤省)
 
展示に使われている素材は、作者自身がこれまでに食料としてきた果物などの種を永い年月にわたり収集してきたものです。DMに掲載された詩(冒頭)にある種子に“いのち”とあえてルビをふることに、今回の展示の主たるテーマがあると推察します。
佐藤省は、これまでにテラコッタなどの陶芸、陶土による磨き楕円体や古書によるオブジェ、ペーパー・ドライポイントなどの平面作品を、かつて親しく関わってきた物たちをモチーフに…制作・発表してきました。立体であれ平面であれ、詩的な異界をイメージさせる作風には動きがあり、その底には多くの場合空気の流れや時の移ろいを想い起こさせるものがあります。
有機的な印象は佐藤省の作品の特徴であり、魅力でもあります。
この度、作家により展示に選ばれた場は、昭和の生活の記憶を留める4畳半の部屋です。ここに展開されるインスタレーションを通して、見過ごされてしまいがちな物たちの形の面白さや美しさを再認識して頂きたいのと同時に、1粒の種子の壮大な旅を想像していただければ嬉しい限りです。
それは地球上の生命体全てに共通するいのちの連鎖(歴史)の物語が秘められているのですから。
 
佐藤省は一方で言葉の人でもあります。
豊富な語彙から選び抜かれて詠まれる詩は美しく、現実と幽玄を行ったり来たりの世界に誘ってくれます。
展示には、言葉での参加者を募った約50名の方々の一行詩も加わります。
みなさまが種子(いのち)を素材に、どのような想いを詠んでいただけるのか楽しみなことです。

(土日画廊 板橋 記)

 
佐藤省展 春は土の中に─
会期:2025年4月10日(木)〜4月27日(日)
開廊:木・金・土・日曜
休廊:月・火・水曜
時間:12:00〜19:00
会場:土日画廊
住所:東京都中野区上高田3-15-2
電話:03-5343-1842
https://donichigaroh.com/
 
経路
西武新宿線「新井薬師前」駅(地下化工事中・周辺再開発中)・南口の改札口を背にして左に進み(右手車道を挟んでスーパー「マルエツ」が見える)、「ファミリーマート」の前を通過、2車線の道路に合流する形で出る。前方の「押ボタン式信号機」のある横断歩道を渡って、そのままの姿勢で向かい側の住宅街に入る。左右のいくつかの路地を通り過ぎて、竹の垣根のある十字路まで進む(十字路の左手奥角に平家の一軒家、パン工房「たきびのおうち」あり)。その十字路を左折。竹垣沿いに歩き、竹垣が切れるところの左側の一軒家(土日画廊「OPEN」の看板あり)の2階。徒歩5分。

車椅子
会場は一般家屋の2階。狭い階段のみ。

SNS
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