伊藤義彦作品展「フロッタージュ ─暗室讃歌─」

暗室. 1, 2020
時の船, 2022
暗室礼讃, 2023
©Yoshihiko Ito, courtesy of PGI

 
フィルム写真を愛用し、暗室作業を好んだ伊藤は、使うことのなくなったフィルムを手に取り、日々眺めながら、作者にとって「様々なイメージをかきたてる存在」であるフィルムから様々なことに思いを巡らせます。そして、写真作品制作時にも資料として絵コンテやスケッチに慣れ親しんでいたことから、この愛着あるフィルムをテーマにフロッタージュ作品の制作をはじめるようになりました。
フロッタージュは、凹凸のあるものの上に紙や布を置いて、上から擦ることにより現れる形や模様の偶然性を利用して表現する技法ですが、伊藤のモチーフは主にフィルムであり、そのテクスチャーを利用した表現というより、フィルムから広がった想像の世界を表現した画面構成が特徴と言えるでしょう。
2015年頃からフロッタージュ作品の制作を始めた伊藤は、ほぼ毎日机に向かい制作を続けており、これまでに400点近くの作品を生み出してきました。
前作「フロッタージュ ─フィルムの中─」では8×10(エイトバイテン)のフィルムをベースに描き、その中に35mmフィルムを題材に、伊藤が写真家としてのキャリアの中で表現し続けてきた意識や時間の流れといった、写真に向き合う思考を表現した初期シリーズをご覧頂きましたが、本展は2020年から2024年にかけて制作された作品の中から「暗室讃歌」と題して、一つ一つ緻密な手作業によって暗室への溢れる想いを形にしたオマージュ作品をご覧いただきます。
(プレスリリースより抜粋)
 

フロッタージュ ─暗室讃歌─
橙光の灯る小さな暗室で、露光した印画紙をおそるおそる現像液の中に入れる。ピンセットでゆっくり動かすと、印画紙上に少しづつ像が現われはじめる。そのさまに、なんとも言いがたくただ見惚れていた。
はじめてプリントを作った時のことを思いだす。

伊藤義彦

 
伊藤義彦作品展「フロッタージュ ─暗室讃歌─」
会期:2025年3月19日(水)〜4月30日(水)
休:日曜・祝
時間:11:00〜18:00
入場料金:無料
会場:PGI
住所:東京都港区東麻布2-3-4TKBビル3F
電話:03-5114-7935
https://www.pgi.ac
 
経路
◆都営大江戸線「赤羽橋」駅・中之橋口を出て右、「ファミリーマート」の角を右折。四つ角を越え、次の四つ角の横断歩道を渡り直進、突き当たりを左へ。再び突き当たりを右折、「まいばすけっと」を右に見て小さな交差点を直進し左手の建物。オートロックのためインターホンで呼び出し。
 
車椅子
ビル入口に段差あり。車椅子単独の場合は電話、介助者がいる場合はインターホンか電話でスタッフを呼び通用口から案内。
 
SNS
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