
早川は、「人間はどのように世界に存在しているのか」という根源的な問いを探求しながら、重力や空気、水の表面張力といった物理的な「現象」を取り入れた彫刻やインスタレーションを制作してきました。
約10年前、作家自身の身体に大きな問題が生じましたが、それを契機に「自分が立つ」ということの意味や、ものの重さ、触れる感覚への意識がより鋭敏になりました。本展では、そうした身体感覚と彫刻との関係を改めて見つめ直しながら、世界の在り方に触れる作品を発表します。
(プレスリリースより)
(アーティストステートメント2025より抜粋)
プレスリリースより
「彫刻を創る。そんなことを随分長いこと考え続けていたが、まさかそれを自分に使うとはね。治療と呼ばれるものを切り上げて、自分の世界への触れ方の再構築を始めた。世界に対してやっていたそれを自分にやるってこと。それはある“起こり”に立ち会うことであり、そいつらがあらぬ方向にいったり、どう変性しようがとにかく付き合ってみること。こちら側が変わることは構わない(この場合、どちらもこちら側)。主体なんて早々に消し去り、強すぎず弱すぎず扱うこと。やっとこさ組み上がった(ようにみえる)それは“なくなった”それに限りなく近い何かであり、“それ”と呼べないところにそれぞれ染み込んでいった。固定されていたようなさまざまなことがズリズリとスライドして抽象度を上げていき、“あること”と“ないこと”が等しく存在したような時、その摩擦はなくなり、もう一度世界に触れはじめたような気がした。今思えば、はじめからこちらもあちらもなかったのかもなぁと思う。あと、もはやこれは治療ではないので完治みたいなところもないのだ。
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ある日、水面に養生テープを貼ってみた。貼れた。はて、養生テープの下は水中なんだろうか。いや、水面のままだ。貼れてるしね。突然現れたそいつに、あー僕はこういうものを作品と呼んできたなと思ったのでした。
無頓着に世界に触りたいのは、こういった社会なんて持ち込めない世界の一面がひょっこり現れる瞬間に立ち会うためなのです。」
早川祐太 Yuta Hayakawa「ブラックボール」
会期:2025年3月8日(土)〜4月5日(土)
休:日・月・火曜
時間:12:00〜19:00
会場:HAGIWARA PROJECTS
住所:東京都江東区常盤1-13-6-1F
電話:03-6300-5881
https://www.hagiwaraprojects.com
経路
◆都営新宿線・都営大江戸線「森下」駅・A7出口を出て右へ。「大衆酒場魚三」を過ぎすぐの交差点を右折し進む。「常盤一丁目」交差点の横断歩道を進行方向に渡って左角の建物。
◆または、都営新宿線・都営大江戸線「森下」駅・A1出口を出て、右、右と向き、出口から出てきた方向とは逆側へ、「こがね製麺所」の見える方へ進む。そのまま直進。右手に見える「江東区立八名川小学校」「八名川公園」を通過。「常盤一丁目」交差点を進行方向に渡り右角の建物。
◆都営大江戸線・東京メトロ半蔵門線「清澄白河」駅・A1出口を出て左へ進む。川を越えて直進。最初の信号のある交差点(「ジャノメミシン」の角)を左折。「常盤一丁目」交差点の横断歩道を進行方向に渡って左角の建物。
車椅子
建物入口には短く緩やかなスロープ。
SNS
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