PGI では原直久作品展「柘榴」を開催いたします。本展では、作家が1970年初頭より長年にわたり取り組んできた同名のシリーズより、8×10インチの大判カメラによって撮影された作品を展示いたします。
写真家・原直久はパリやイタリアの山岳都市など、ヨーロッパ各地を大判カメラで撮影した都市風景作品で知られています。近年は、急速に変わりゆくアジアの都市を撮影した「アジア紀行」シリーズを継続的に発表してきました。
原は、都市風景の制作と並行して、果物などの静物を中心としたクローズアップのシリーズにも長年取り組んできました。本展「柘榴」は、作家の父が自宅の玄関先に植えた柘榴の木を主題としています。季節とともに変化し、実を結び、やがて内部を露わにするその姿は、原のクローズアップの視線において決定的なモチーフとなりました。
長年にわたり撮影されながらもこれまで発表される機会のなかった本シリーズは、本展にて初めてまとまったかたちで公開されます。8×10インチによる精細な描写は、生命の豊穣と衰退、内と外といった相反するイメージを内包しながら、多様な表情を見せ、被写体の細部に新たな発見をもたらすでしょう。
また本展では、銀塩プリント、プラチナプリントおよびインクジェットプリントといった複数の技法による作品を展示し、それぞれのプロセスが生み出す陰翳の違いもあわせてご覧いただけます。
原直久が長年向き合い続けてきた「柘榴」というモチーフ。その凝視の積層がもたらす、静謐でありながらもどこか妖しい世界を、ぜひご高覧ください。
プレスリリースより転載


©Naohisa Hara, Courtesy of PGI
フォーカシンググラスに魅せられて
私の写真を語る上で大事な幼児体験がある。我が家に壊れてもう撮影の出来なくなった骨董品と言った方が良いような手札くらいのスプリングカメラがあり、絞りとシャッターを開けてフォーカシンググラス越しに眺める逆さまの風景を見るのが不思議で楽しく、ジャバラを繰り出すとかなり近くまでピント合わせが出来ることに興味津々であった。したがって写真を撮る、楽しむというよりは光学メカニズムに対する興味が先であったように思う。
この不思議なフォーカシンググラスとの再会は、この体験から暫くして写真を専攻した大学や、アルバイト先で、4×5インチのビューカメラでパッケージや小物と対峙したときである。何か楽しく性に合い、後の風景撮影にもこれを持ち出すようになった。
だが決定的なフォーカシンググラスとの出逢いは1971年、初めて8×10インチのディアドルフにレンズを装着して、冠布の中で覗いたフォーカシンググラスの美しさに感動した瞬間であった。その時、今後の制作活動は経済的にも大変なことも多いと思うが8×10インチを中心に頑張ろうと心に誓った。
今回の展示の「柘榴」は4×5インチでも撮影していたが、改めて8×10インチで永年撮影してきたものである。当たり前の話だが、実物より大きくして見ると、今まで見たことのない新しい発見や感動が生まれてくるものである。
展示の中心となるのが、父が玄関先に植えた柘榴の木、綺麗な実をつけだし、やがて見事に実り、その一部分が縦に怪しげに裂け、中から人を誘惑するように果実を覗かせる姿である。その様は、私のクローズアップシリーズのモチーフにこれ以上のものはないとまで思わせた。また、忙しさにかまけて、撮影できないでいると、だんだん萎んできて、別の表情を見せてくれるから興味深い。
今回の「柘榴」はこれまで発表する機会こそなかったが、最も長期間取り組んできたテーマである。銀塩、プラチナ、それに画像処理とインクジェットによる陰翳を楽しんで頂けたら幸いである。
原直久
原直久(はら なおひさ)
1946年千葉県松戸市生まれ。
原直久作品展「柘榴」
会期:2026年5月22日(金)〜7月11日(土)
休:日曜、祝
時間:11:00〜18:00
会場:PGI
住所:東京都港区東麻布 2-3-4 TKB ビル 3F
電話:03-5114-7935
料金:無料
https://www.pgi.ac
- 都営大江戸線「赤羽橋」駅・中之橋口を出て右、「ファミリーマート」の角を右折
- 四つ角を越え、次の四つ角の横断歩道を渡り直進、突き当たりを左へ
- 再び突き当たりを右折
- 「まいばすけっと」を右に見て小さな交差点を直進し左手の建物。オートロックのためインターホンで呼び出し。
- 東京メトロ日比谷線「神谷町」駅・2番出口を出て右へ進む
- 「AZABUDAI HILLS」を通過
- 「麻布台一丁目」交差点を通過
- 「飯倉」交差点を通過。下部がレンガの「ノアビルディング」を右に見て「桜田通り」を進む
- 「熊野神社」を通過
- 「東麻布」歩道橋を通過してすぐの角を右折(バス停の手前)
- 左への細い道を通過してすぐ、正面にコインパーキングのあるY字路で左の道を選ぶ
- うなぎ屋を通過してすぐ右側の建物。オートロックのためインターホンで呼び出し。徒歩10分。
- 東京メトロ南北線・都営大江戸線「麻布十番」駅・6番出口を出て左へ進む(地下鉄赤羽橋駅方面。看板あり)
- 「ナチュラルローソン」を通過
- 信号のある交差点を通過
- 次の信号のある交差点(左角にガソリンスタンド「ENEOS」)を通過
- ガソリンスタンド「apollostation」を通過
- 信号のある交差点を左折。「東麻布商店街」に入って直進
- 信号のある交差点(角に「成城石井」)を通過
- 次の信号のある交差点を通過して数軒先の左側の建物。オートロックのためインターホンで呼び出し。徒歩10分。
ビル入口に段差あり。車椅子単独の場合は電話、介助者と一緒の場合はインターホンか電話でスタッフを呼び通用口から案内。
