本プログラム11回目を数える今回は、公募により選考された版画家・あるがあく、アーティスト・松田ハルをご紹介します。
あるがあくは、主に木版画の制作を通して、目に見えない「揺れ動く感情」を視覚化し表現することを試みています。木版画は図柄を版に彫り起こし、紙に摺り取るなどの工程を経て制作します。それらを繰り返して生みだす版の重なり、かすれやにじみなど木版画特有の性質とシルクスクリーンを組み合わせることで、人の複雑な感情を表現しています。近年取り組むシリーズ「木漏れ日蒐集」では、木漏れ日の一瞬のきらめきや光と影をとらえながら、木漏れ日の揺らめきに人の感情の揺れ動きを重ねあわせています。
祭り行事や市民活動が盛んな塩竈の地は、多賀城市出身のあるがにとって人々の喜怒哀楽さまざまな感情に触れることができる地であると言います。特に鹽竈神社は、人々の思いが繰り返し向けられる場であり、人生の過程において人々が思いをこめて集い、感情の揺らぎが集まる場所と言えます。今回あるがは、人生の転機に抱いた祈りや願いなど多様な感情が集まる神社でも木漏れ日を採取し、新作を制作しています。幾重にも重なる木漏れ日の揺らめきに感情を投影しながら、私たちの日々のさまざまな感情を肯定するひとときとなれば幸いです。
松田ハルは3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)やVR(バーチャルリアリティ)などの技術を用いた作品を制作しています。テクノロジーを駆使した新たな鑑賞体験を創出しながら、「物質と非物質」「現実とフィクション」といった二項対立的なテーマを思考し、複製メディアの歴史を問い直しています。
岩手県陸前高田市出身の松田は、東日本大震災の発生から10年以上を経た故郷の海岸で目にした様々な漂着物が、町や生活の断片であり、見えない過去を想起させる存在に変わっていると感じました。本展ではこの経験と、陸前高田の地で生きてきた自身の先祖の歴史をふまえ、塩竈から陸前高田までの海岸線を辿り、採取した漂着物の欠片を起点に平面、映像作品等の新作を発表します。「現実と記憶、欠落と想像」の間に漂う時間を可視化し、漂着物の断片から土地の記憶を再構成することを試みます。現実と仮想現実、過去と現在を行き来しながら、土地の履歴や人々の歩みに新たな思いを寄せる機会になることを願っています。
プレスリリースより転載


あるがあく ARUGA Aku
版画家。1987年宮城県多賀城市出身、在住。木版画やシルクスクリーンなどの版画技法を用いて、揺れ動く感情を表現する。日常に起こる内面の変化と、それらを抱えながら生きる人々に注目し、日々の営みの肯定を試みる。2016年より仙台美術研究所版画講座講師。2022年より多賀城市にて版画工房ギャラリー「在るprint studio」を主宰。美術鑑賞と創作の場を提供している。
塩竈市杉村惇美術館ウェブサイトより抜粋して転載
◇Instagram
https://www.instagram.com/arugaaku/
◇展覧会ウェブページ(特別審査員による講評を掲載)
https://sugimurajun.shiomo.jp/archives/14236


松田ハル まつだはる/MATSUDA Hal
アーティスト。1998年岩手県出身。VRで描いた3Dオブジェクトを版画として定着させ、リアルとバーチャル、Alと人間といった境界を平面へと変換する。また、シルクスクリーン印刷や彫像へのドローイングによって、現実空間にイメージを表出する。進化する技術により拡張された想像力と、変わらない身体との乖離を見つめながら、複製メディアの歴史を遡る。
塩竈市杉村惇美術館ウェブサイトより抜粋して転載
◇Instagram
https://www.instagram.com/hal_matsuda
◇展覧会ウェブページ(特別審査員による講評を掲載)
https://sugimurajun.shiomo.jp/archives/14239
若手アーティスト支援プログラム「Voyage」は、これからの活躍が期待される若手アーティストの可能性に光をあて、新たなステップを提供することを目的に、展覧会を中心としてトークやワークショップなど多様な表現の機会を設ける事業です。これまで、多くの人々にとって新たな才能や感性と出会える場となるよう毎年度ごとに異なる作家と共に取り組んできました。展示制作にかかる費用の一部のほか、企画や広報などに関する支援を通して、地元にゆかりのある若手アーティストの意欲的な表現活動をサポートし、発表の場を提供します。今年度の特別審査員は、小田原のどか氏(彫刻家・評論家・出版社代表)、鹿野護氏(デザイナー・東北芸術工科大学教授)、服部浩之氏(キュレーター・国際芸術センター青森館長)です。
塩竈市杉村惇美術館ウェブサイトより転載
若手アーティスト支援プログラムVoyage2026
あるがあく展「木漏れ日蒐集」
松田ハル展「あんせすた〜〜~ず!!! Ancestors of a Virtual Town」
会期:2026年7月18日(土)~9月6日(日)
休:月曜(7月20日は開館、翌日は休館)
時間:10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
会場:塩竈市杉村惇美術館 企画展示室
住所:宮城県塩竈市本町8-1
電話:022-362-2555
観覧料:一般500円、大学生・高校生400円(企画展+常設展セット)
※メンバーシップ会員、中学生以下は無料
※各種障害者手帳所持者は提示により割引(半額)
https://sugimurajun.shiomo.jp
*ギャラリートーク あるがあく・松田ハル(終了)
作品解説等、作家によるギャラリートーク。
日時:2026年7月18日(土)14:00〜(60分程度)
場所:企画展示室
※要展示観覧料(メンバーシップ会員・中学生以下無料)。予約優先。
*あなたにとっての海の物語を教えてください(「松田ハル展」関連企画)
海で拾った陶片やガラスを持ち寄ったり、海の写真を見ながら語り合う会です。
日時:2026年8月8日(土)14:00〜15:30
場所:講習室
持参物:(可能であれば)海で拾った石や陶片、ガラス片、海の写真
参加費:無料
申込方法:下記詳細ウェブページにある「申込フォーム」にて
詳細:https://sugimurajun.shiomo.jp/archives/14451
*木版画ワークショップ「重ねてつくる木漏れ日の木版画」(「あるがあく展」関連企画)
ハガキサイズの版を彫り、刷ります。
作った版と、こちらで用意してある版を自由に組み合わせて作ります。
ハガキの2倍ほどのサイズの紙を用意します。
日時:2026年8月22日(土)13:00~16:00
場所:講習室
定員:15名(小学5年生以上)
参加費:1,000円(材料費込み)
持ち物:エプロン(または汚れてもよい服装)。水分補給の飲み物。撮影した木漏れ日
申込方法:下記ウェブページにある【お申し込みフォーム】または電話(022-362-2555)にて
詳細:https://sugimurajun.shiomo.jp/archives/14363
- JR仙石線「本塩釜」駅・神社参道口を出て左へ。「魚民」を通過
- 突き当たりを左折してすぐの横断歩道を渡る(横断歩道後方に「セブン–イレブン」)
- 横断歩道を渡ってすぐ右にある細い道へ入る。公衆トイレを通過
- 突き当たりに「壱番館」の建物。左折して次の交差点を壱番館の方へ渡り左へ進む
- すぐ右側の一本裏の道の方へ(塩竈神社の方向を示す看板あり)
- 看板を見て、塩竈神社「表参道」方面へ。すぐ左側に洋品店「すずらん」
- 「すずらん」隣の「榮太楼本舗」に直交する道へ右折
- 右側「浦霞」の酒蔵を通過。しばらく進む
- 「仙台銀行」を通過
- 左手に「御釜神社」(朱色の鳥居)のある交差点を左折しすぐ右折(車椅子の場合はもうひとつ先の道を右折し駐車場へ)
- 階段を登った先。徒歩10分。
※塩竈市杉村惇美術館ウェブサイト内に、「本塩釜」駅から美術館への写真入りルート案内あり
館入口手前に階段又は急な坂有。自動車での来館なら車椅子単独でも(駐車場有。事前問合せが安心)。もしくは介助者と(階段を避け駐車場経由で)。館内にエレベーター、バリアフリートイレ(オストメイト対応)あり。
